産後ケアコラム
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ママと赤ちゃんのための産後ケアコラム

2022/01/19

[コラム]

産後の肥立ちって?産後ママの体調回復の注意点と産後の肥立ちを良くするポイント

出産は、どんな形でもママの体へのダメージがとても大きいです。

母体にとって大きなダメージを与える出産に関わる言葉で、「産後の肥立ち」があります。これは、産後の回復状態を示す言葉です。

「産後の肥立ち」と聞いてもピンとこない方もいますよね。そこで今回は、「出産後のママに大切な産後の肥立ち」について解説します。

産後の肥立ちとは?

少し前の世代の人が、産後の女性に「産後の肥立ちは?」と問いかけることがありました。

「産後の肥立ちが悪いから心配」や「産後の肥立ちが良いので安心」という会話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。

先述した通り、産後の肥立ちとは出産を終えた女性が出産前の正常な体に戻ろうとする期間のことで、医学用語では「産褥(さんじょく)期」といいます。

現代のように医学が発達する前は、出産後の生活環境や栄養状態が悪く体調が回復しない女性が多かったようで、体調が回復しない状態を「産後の肥立ちが悪い」と表現していました。

「産後の肥立ち」を良くするために、日本では「里帰り」や「床上げ」という習慣を作り、母体を守っていた経緯があります。

産後の肥立ちが悪いとは?

母体の状態が良くなく、出産前の体調に戻るのに時間がかかっている状態を「産後の肥立ちが悪い」と表現することを説明しました。

では、産後の肥立ちが悪いとされるときは、どのような症状が現れるのでしょうか。

産褥熱

赤ちゃんを出産して10日以内に38度以上の熱が2日以上続くことを「産褥(さんじょく)熱」といいます。

産褥熱は、分娩(ぶんべん)時にできた産道の傷に細菌が入ると起こる症状です。しかし、現代では、衛生管理が行き届いていることや抗生物質などによって産褥熱になることはあまりなくなりました。

産褥熱にならないためには、手指や陰部を清潔に保つことが大切となります。

子宮復古不全

産後の子宮収縮がゆっくりで元の大きさに戻るのが遅れるのを「子宮復古不全」と呼びます。

出産直後に子宮が急激に収縮することは、子宮内を止血する役割も担っています。しかし子宮復古不全が起こると子宮内の止血がうまくいかずに、いつまでも血性の悪露が続くようになります。

悪露が続くと、子宮内膜炎や子宮筋層炎などの子宮内感染症のリスクが高くなるため、いつまでも出血が止まらないときや血の塊が出るなどの症状が出た場合は、医師に診てもらうようにしましょう。

静脈血栓塞栓症

妊産婦の足はむくみやすく血栓ができる場合があり、妊産婦は静脈血栓塞栓(そくせん)症を起こしやすいといわれています。

特に帝王切開した場合は、この静脈血栓塞栓症にかかりやすくなるので注意が必要です。

出産後に片足だけむくみがある場合やふくらはぎに痛み、腫れを感じるときは、医師に診断してもらうと安心でしょう。

乳腺炎

ママの胸の乳腺が炎症してしまうことで起こるのが、乳腺炎です。

乳腺炎は特に産後1~2週間で起こることが多く、「急性うっ滞性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)」と「急性化膿性乳腺炎」の2種類に分けられます。

急性うっ滞性乳腺炎は、乳腺に母乳が溜まってしまうことで炎症が起きて胸に痛みや熱を感じる症状です。

一方、急性化膿性乳腺炎は乳管から細菌に感染することで乳腺に炎症が起き、痛みや熱を発症します。

胸周りに熱感や痛みを感じる場合は、我慢して放置しないようにしましょう。

貧血

出産時の出血や授乳によって産後は貧血を起こしやすくなります。貧血になると、めまいや頭痛、動悸(どうき)、肩こり、だるさなどの症状が現れるので、そのときは、医師の診断を仰ぐようにしましょう。

マタニティブルー

出産後のホルモンバランスの乱れから一時的にうつ状態になることを「マタニティブルー」と呼びます。

マタニティブルーは、涙もろくなる、イライラする、感情の起伏が激しい、眠れない、不安が高まるなどの症状が出ますが、2週間ほどで収まるのが一般的です。

しかし、マタニティブルーが悪化すると「産後うつ」になってつらい状態が続くこともあります。産後は、精神的に不安定になることを周囲も理解して、上手にサポートすることが大切です。

産後の肥立ちの期間は?

一般的に、赤ちゃんを産む前の体に戻るまで6~8週間ほどかかるといわれています。

昔の日本では、産後の安静にする目安を21日にして、終了すると「床上げ」を行っていました。床上げが済むと家事を少しずつ再開するようになりますが、まだ無理は禁物です。

体に大きな負担をかける作業や長距離の移動は控えて、ダメージを受けた体を労わることが大切。

また、体の回復には個人差があります。人によっては、体調が回復するまでに1年かかったという人もいるほどです。

産後の肥立ちに無理をしてしまうと、その後の体調に大きく影響します。とにかく産後の肥立ちといわれる期間である出産後3~4週間は、ゆっくり休養を取って体の回復を目指すようにしましょう。

産後の肥立ちではどんなことに注意するべき?

健康に子育てを行うためにも、産後の肥立ちで注意すべきことがあります。

体に負担がかかる家事

個人差はありますが、産後3~4週間程度で簡単な家事であれば再開することができます。

しかし、この時期の骨盤は、まだ安定していません。そのため、体に負担がかかるような家事は家族に任せる方が安心です。

特に腰に負担がかかりやすい動作をするお風呂掃除などは、控えて無理のない家事から少しずつ始めていきましょう。

体への負担が大きい運動

出産前の体型に戻ろうとすぐに運動をするのはよくありません。

体調が完全に回復するまでは、寝ながらできる産褥体操などから始めていきましょう。どうしても、運動がしたい場合は、医師に相談してから始めるようにすることが大切です。

長時間の移動を伴う旅行

産後の体調が回復するまでは、長時間の移動を伴う旅行などは控える方が良いでしょう。「赤ちゃんが生まれたら旅行に行きたい!」と考えているママも多くいますが、長時間の移動は体に大きな負担をかけるものです。

また、赤ちゃんを連れた外出は、意外に荷物も多く心身ともに疲労が溜まりやすくなります。

体を冷やす

昔は、産後は水を触ってはいけないといわれていました。これには、医学的な根拠はありませんが、体を冷やすことが体調不良の原因ともなります。産後に関わらず、体を冷やさないようにすることが大切です。

目の酷使

水仕事と同様に目を使わないようにすることも大切だとされていました。

実際に「赤ちゃんを産んでから視力が落ちた」「目が疲れるようになった」という人も少なくありません。

産後しばらくは、目もいたわってあげるようにしましょう。

喫煙・飲酒

喫煙は、ママの体だけでなく赤ちゃんの健康や発育に影響を及ぼすものです。タバコの煙を赤ちゃんが吸ってしまう受動喫煙でも、赤ちゃんの発達に影響を与えてしまいます。

また、授乳中の飲酒も赤ちゃんの発育に影響を与えます。これは、赤ちゃんの体が未熟なため、母乳から口に入ってしまったアルコールをうまく分解できないからです。

アルコールは、赤ちゃんの脳や体の発育に影響を与えるので、少量であっても控えるようにしましょう。

産後のサプリメントの摂取

赤ちゃんがいると、思うように食事が取れなくなるため、サプリメントで栄養を補おうと考える人もいます。

確かに、産後のママ向けサプリメントなども販売されているので、気軽に栄養が取れると人気もありますが、産後にサプリメントを服用するときは、医師などの専門家に相談するようにしましょう。

産後の肥立ちを良くするためには

では、産後の肥立ちをよくするために、どのようなことをすれば良いのでしょうか。

とにかく休養

退院したら、3週間程度は安静にして、なるべく寝ていることが大切です。

ママは、家事をしなくても赤ちゃんの世話はしなくてはいけません。真夜中の授乳やおむつ交換などで、ゆっくりしたくてもママの体は休むヒマもないのが現状です。

赤ちゃんのお昼寝などのタイミングで体を休ませてあげるようにしましょう。

食事に気を付ける

和食中心のバランスが取れた食事を取るように心がけましょう。特に、タンパク質やカルシウム、鉄分、葉酸、ビタミンCは産後の女性に不足する栄養分なので、意識して食べるようにしてください。

また、授乳中は、水分不足になってしまうので、意識的に水分を取るようにすることも大切です。そのときは、体を冷やさないように温かい飲み物が良いでしょう。

まとめ

普通分娩、無痛分娩、帝王切開など、赤ちゃんを産む方法はいろいろありますが、どんなお産でもママの体にかかる負担はとても大きなものです。

そのダメージを回復させるために昔から「産後の肥立ち」というものがありました。これは、医療の発達していなかった時代でも、先人たちの経験によってママと赤ちゃんを守るために作られたシステムで、現在でも十分に通用するものです。

周囲の人は、産後のママの体はとてもデリケートになっていることを理解して、しっかりサポートしてあげることが大切です。

例えば、産後ケア施設では、産後に不安な方がさまざまなサポートを受けています。産後は体がつらいことを理解して、1人で頑張らずに利用してみるのもおすすめです。

長い子育て期間を健康に乗り切るためにも、産後の肥立ちでは周囲に甘えてしっかり休養しましょう!

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