産後ケアコラム
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2022/01/19

[コラム]

産後うつとは?マタニティーブルーとの違いや予防と対処法について解説

『産後うつ』という言葉を聞いたことがある人は、多いのではないでしょうか。実際に出産を経験し、気分が落ち込みやすくなり、「これってもしかすると産後うつ…?」と感じている人もいるかもしれません。

また、もし産後うつになってしまった場合には、どのような対処法をとれば良いのでしょう。そこで今回は、産後うつとは一体どういうものなのか、マタニティーブルーとの違いや産後うつへの予防や対処法も合わせて解説します。

産後うつ病の発症

産後うつとは、正式には『産後うつ病』という名の心の病気です。日本では約10%の母親が産後うつにかかるといわれています。

産後3か月頃から発症することが多いとされており、放っておくと重症化する恐れもあるため、心当たりがある人は注意が必要です。まずは、産後うつの症状や原因についてみていきましょう。

産後うつの症状

産後うつになると、深い悲しみや絶望感、不安や緊張感におそわれるなどの症状が出ることがあります。普段より怒りやすくなってイライラしたり、何でもないのに涙が出てきたりと、気分の浮き沈みが激しくなることもあります。

また、不眠などの睡眠障害に加え、摂食障害や自殺願望などが出てくる場合もあり、家族や赤ちゃんの発育にも影響が出るかもしれません。

産後に夫婦関係が悪化したという話も、よく耳にすることでしょう。これも産後うつが関係していると考えられます。

産後うつの原因

現在のところ、産後うつのはっきりとした原因は確定できていません。しかし、原因のひとつとして考えられるのは、分娩後の急激なホルモンバランスの変化です。

また、出産のストレスや家族からのサポート不足、家庭内の問題などが原因となる場合もあります。加えて、もともとうつ病を発症した経験がある場合にも、産後うつになりやすいといわれています。

こうした産後うつ病は、感情をコントロールする脳の神経伝達物質や遺伝、ホルモンの変化、環境などが関連している心の病気であり、自分の性格が原因でかかる病気ではないことを心に留めておきましょう。

マタニティーブルーとの違い

産後はマタニティーブルーになりやすいという話も聞きますが、「産後うつとは何が違うの?」と疑問に感じる人もいることでしょう。

そもそもマタニティーブルーとは産後にメンタルが不安定な状態になることをいいます。しかしそれだけだと、マタニティーブルーと産後うつの違いはわかりにくいですよね。

そこで、ここからは産後うつとマタニティーブルーの違いについてみていきます。

発症時期と頻度について

先ほどもお伝えした通り、産後うつは産後3か月頃から発症するといわれています。

具体的には産後3か月~6か月が多いとされています。産後うつの発症頻度は産後女性100人に対して10人~15人です。

一方、マタニティーブルーは産後うつよりも早い時期、すなわち産後3~5日で発症するといわれています。また、頻度は産後女性100人に対して30~70人です。

こうしてみると、産後うつよりもマタニティーブルーの方が発症する時期が早く、発症する可能性も高いことがわかります。では、回復するまでの時期や症状の違いはどうなのでしょうか。

回復するまでの期間の違い

産後うつに比べ、マタニティーブルーの発症率が高いことがわかりましたが、回復するまでにかかる期間は数日から数週間といわれています。

一方、産後うつの場合は治療されなければ数か月~数年続くとも考えられています。ちなみに、マタニティーブルーの症状は一過性のものが多く、数週間で自然に回復していくのが特徴です。

出産によるストレスや産後の急激なホルモンバランスの変化で、イライラしたり涙もろくなったり、気分が不安定になるなどの症状が挙げられます。

とはいえ、産後うつのように、絶望感や喪失感、自殺願望が出てくることは少ないでしょう。専門的な治療は必要なく、一過性で経過していきます。

このように、マタニティーブルーに比べ、産後うつの方が症状が重いと認識しておきましょう。しかし、マタニティーブルーの症状が2週間以上続く場合は注意が必要です。

産後うつ病の可能性があるため、婦人科や精神科の診療を検討することをおすすめします。

産後うつの予防と発症してしまった場合の対処法

産後うつにかかるリスクを減らすためにできる予防とは、一体どんなことがあるのでしょうか。

ここでは産後うつの予防と、万が一、産後うつになってしまった場合の対処法についてお伝えします。

産後うつの予防

産後の十分な休養
産後うつを予防するうえで最も重要なことは、しっかりと休養することです。特に産褥期と呼ばれる産後1か月半~2か月まではホルモンバランスの変化に伴い、体の変化も起こります。

子宮収縮に伴う痛みや、悪露、骨盤の歪みなど体調面だけでもかなりしんどい時期です。

また、貧血や便秘、尿漏れなどが起こることもあり、ママの体は想像以上にダメージを受けている状態といえるでしょう。

そんな体で無理をしてしまうと、回復が遅れるだけでなく精神的な疲労も溜まってしまいます。産後にやるべきことは、とにかく十分な休養をとることだと割り切って過ごすようにしましょう。

産後は家族の協力や援助を頼む
産後、ゆっくりと体を休めるためには、家族の協力や周りの援助が不可欠です。

里帰り出産をして実家で十分に休養できればいちばんですが、状況的になかなか難しいという人もいることでしょう。その場合は自宅に実母を呼んで家事を手伝ってもらうのも良いでしょう。

また、夫婦で話し合い、休みの日にはパパに家事をお願いしたり、育児を任せたりすることも場合によっては必要です。特に子育ては夫婦の共同作業でもあります。

ママは夜中の授乳やミルクをあげるので寝不足になりがちですので、休日の昼間はパパが赤ちゃんのお世話を担当するのも良いですね。

産後サポート事業や産後ケア施設を利用する
里帰りすることや自宅に実母を呼ぶことが厳しい状況や、パートナーが仕事で忙しいという人もいるかもしれません。そんな場合には、産後サポートの活用や産後ケア施設の宿泊などがおすすめです。

産後サポートには訪問型などがありますが、宿泊型の産後ケア施設ではママを心身共に回復させてくれるだけでなく、育児指導もサポートしてくれるといったメリットがあります。

家のことを気にせず、ゆっくりと過ごしながら睡眠も確保できるため、ママもリラックスできますよ。産後うつの予防にも効果的といえるでしょう。

産後うつになってしまった場合の対処法

かかりつけの医師や専門医を受診する
産後うつは心の病気です。自分で対処できるほど単純ではないため、早めにかかりつけの医師や産婦人科に相談することをおすすめします。

そして、状況によっては心療内科や精神科の専門医の治療が必要となる場合があります。産後うつの長期化や重症化を防ぐためにも早期の治療が大切です。

産後うつのような心の病気は、自分では気づきにくいため、周りの家族が様子をよく見てあげましょう。眠れなかったり食欲が落ちていたり、疲れていたり気力が感じられなかったりするのも産後うつのサインといえます。

家族や友人による援助で症状が緩和されることもあるため、気に掛けることがひとつの対処法にもなるでしょう。

ひとりで抱え込まずに周りのサポートを活用しよう!

産後はホルモンバランスの急激な変化や体の変化、産前とのライフスタイルが大きく変わることで、心身共にストレスが溜まりやすく、さまざまな負担を受けやすい状態になっています。

また、赤ちゃんのお世話で寝不足が続き、疲弊している中で家庭の問題が重なることもあります。どんな人でも産後うつになる可能性はあるといえるのです。

初産に限らず経産婦さんは上の子のお世話やメンタルケアで、さらに負担を抱えることも考えられます。しかし、このような大変な状況化であっても、絶対にひとりで抱え込まないことです。

できるだけ体を休養し、無理なく過ごせる環境を整えるようにしましょう。周りの協力を得て、どれだけ甘えることができるかが、産後うつを予防する秘訣ともいえます。

ぜひ、産後は絶対に無理をせず、休養することを第一に考えながら穏やかに過ごすことを心掛けてみてはいかがでしょうか。

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